こんにちは。
カナルデンタルオフィス近 加名代です。
”歯内療法専門医院で根管治療をしても治らなかった歯はどうなるのか?”
答えは、
外科処置(歯根端切除術)により多くの歯は残すことができます。
症例を見てください。
矢印の歯ですが、根の先端に黒く病気が写っています。
むかし神経を取った歯が痛くなり、6年前に再根管治療をしたそうです。
歯が薄くなっており、次に痛みが出たら抜歯と言われていたが、
”残せるものなら何とか残したい”
ということで当院を受診されました。
見ると、確かに歯根が薄くなっており
治療しても歯が割れてしまったら抜歯になる
ことを同意の上、治療に入りました。
慎重に土台と古い薬を除去し、通常の根管治療が終了したところです。
しかし、、
定期検診で経過をみていましたが、違和感が消えず鈍痛もたまにあるということ。
そこで、外科処置です!!
通常のミラーの何倍も小さな外科処置用ミラーを使用し、切った歯根の断面に色を染めて観察します。
黄色の矢印を見て下さい。ブルーに染まっているところが触られていなかった神経の枝(側枝)です。これが原因でした!
上からでは絶対に触ることができない部分です。白いところは、私が上から治療して詰めたお薬です。
このように通常の根管治療で(上から見て)原因がわからなくても、歯根の裏から(下から)見ると多くの場合で原因がわかります。
ここから細菌が毒素を出していたのですね!
原因がわかればそこを綺麗に削り、MTAという特殊なお薬を詰めて固めます。
(歯根を切りっぱなしにはしません。そこにまだ細菌がいるかもしれないのでしっかり薬を詰めて封鎖します)
これが、外科処置直後の写真です。
黒く写っているところが、根を切り、病気を取ったところです。(無くなった骨の所は黒く写ります)
この後は3〜6ヶ月くらい待つと骨が少しずつ出来てきます。
術後3年の写真です。
レントゲンで黒く見えていたところに骨が出来ると周りの骨と同じように白く見えます。
骨が出来、もちろん症状もなくなったので、患者さまにもとても喜んでもらいました。
このように、治らないのには必ず何らかの原因があります。
通常の根管治療で治る場合と、このように複雑な要因により更に外科処置をすることで治る場合があります。
*一連の流れを書いた下の図もご覧くださいw
歯にヒビが入っていない限り、根管治療、さらには外科処置にて治る可能性がありますので、諦めずに歯内療法専門医院にご相談下さい。
*私が所属しているペンエンド スタディクラブ インジャパンのDr.は
日本全国にいます。